ばら天は家庭で天ぷらの決め手です/花も咲かなきゃ身も固めんが…
<<
作成日時 : 2008/05/23 23:53
>>
トラックバック 0 / コメント 4
海老の天ぷらならきれいに花を咲かせてみたい。かき揚げならば具材をまとめて形良く作りたい。天ぷらをおいしそうにじょうずに揚げたいと皆さんが思われているようです。そこで、もっと簡単に見栄えのする、蕎麦店には無い、家庭ならではの揚げ方があるのではないか? と思いこの「ばら天」を揚げてみました。やってみるとこれ、揚げ易し、見て良し、味うましの家庭天ぷらには絶好の物になりました。家庭で揚げる天ぷらならばもう、これで決まり。
現在、大手の和食チェーンから依頼があり、新規に展開する蕎麦のメニューと作業オペレーションを指導に行っております。そして同時に私鉄改札口直近に個人で新規に立喰い蕎麦店を立ち上げる方からも相談を受けております。店舗を運営していくために規模の大小にかかわらず、どちらの店にも大切な売り筋のポイントが「天ぷら」という共通項を持っています。その中で許される範囲の個性的な商品が提供出来るようにさまざまな提案をしています。
また、クイックサービスも共通する課題で天ぷらは揚げ置きしておけば、提供時間の短縮をはかれるのですが、蕎麦と同じで出来うる限り作り立てを提供していきたいとの思いのジレンマに悩んでしまいます。売価を押さえなければ成立しにくいファーストフード的蕎麦において天ぷらの充実感が、直接お客さんの評価につながりますので、ここは手が抜けない所です。
かき揚げを揚げている時に思いついた事がありました。
作業オペレーションをやっておりますとかき揚げがばらけてうまく揚げられない事、けっこうあります。固まりから離れてぷかぷかと浮いているひとりぼっちの海老などをかわいそうと摘んで食べるとそれはそれでおいしいことには気がついていました。
また、これは昨年の春の事なのですが、蕎麦会用に静岡から釜揚げの桜海老と新茶の葉を送って頂いたおり、せっかくですからかき揚げにしましょうと献立に書いておいたのです。
ところがその会は私一人で作っておりますので時間に追われ、とても十八人分のかき揚げを短時間で揚げる事が出来ない状況になってしまいました。そこで、そこでです、桜海老とお茶の葉をボールに溶いた衣の中にに全部ぶっ込んで一気に天鍋に流し込んで、揚がったらすくい揚がったらすくいで、ばらけた物を適当に積み上げてお出ししましたところ、「こういう揚げ方があったんだ、これは食べ易い」とたいへん好評を頂きました。一口サイズなのですから桜海老が口の中に刺さりにくいいので食べ易いわけなのですが、本人としては冷や汗ものでありました。後日、その日のお客様が「おいしかったです」とメールにてわざわざ送って下さったのがこの写真。再び冷や汗でした。
それでは揚げていきましょう。
ばら天ですから、細かくなく、大きくなく、適当な食べ易い大きさに具材を切っておきます。
先ず海老は皮を「丸」(尾っぽまで)に剥きます。背わたを取り除き、一口大に切っておきます。
海老の他に茄子とアスパラガスを使いましたが、季節の物をじょうずに活かして使って下さい。今の季節なら名残りのそら豆なんか良かったかな。茄子は水に晒してアクを抜き、水気を切っておきます。アスパラガスははかまを取り除きます。
さて、今回は敢て専用の天鍋を用意致しませんでした。家庭で一番簡単にということで、普段は目玉焼きをつくっている我が家のフライパンで御座います。
油もサラダ油に胡麻油を一割程度足しただけ。ごく浅い油の量で揚げます。
気を付けて頂きたい事は鍋を安定させる事。取っ手は引っ掛けないように特に気を付けて下さい。
黄身水を作り、衣を用意。衣はやや薄めのほうがこの「ばら天」の本領を発揮してくれます。
下衣として具材に薄力粉(天ぷら粉)を施します。
適当な量を摘んでカップに入れ、衣を注ぎ入れます。
軽くかき混ぜます。
油温を確認(170〜180℃)したら、カップから直接油に注ぎ入れます。
小さめのボールで数個分を分けながら入れても良いです。ただし、あまり多く入れてしまうと油が吹きこぼれてしまいますので気を付けて下さい。かき揚げと違い具が互いに離れていっても気にしない事。逆にくっついていてもかまわない事。何たって「ばら天」ですから。
具材が小さい分カリッと早く揚がりますので、揚げ過ぎないように注意します。
積み上げて盛ればかき揚げの様に見えます。食べる時は一つづつですから食べ易いのです。盛り方も工夫次第です。
冷たいそばに乗せて、大根おろしの上からもり汁をかけて「天ちらそば」はいかがですか。
こんな天ぷらを出している店は既にある事と思います。小海老に花を咲かせずに出している店は私も知っていますし、ばら天丼といって御飯の中に天ぷらをまぶす様にしている店で食べた記憶もあります。きれいに花を咲かせた天ぷらは確かにおいしいし見た目にも食欲をそそってくれます。ボリュームがありながらさくっとした食感のかき揚げも本当においしい。皆さんがそんな天ぷらを揚げたいという思いも解ります。けれど、この「ばら天」はそういった思い入れを通り越しているような「単純さと明快さ」がありませんか?
『そもさん、天ぷら蕎麦とは如何なる物なるや』
『せっぱ、おいしければいいんじゃないの』って感じです。
|