変わり蕎麦・胡麻切り/材料を味わう蕎麦もある
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作成日時 : 2008/04/03 18:49
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蕎麦で材料をつなぎ、元の食材の食感や食味と異なる面をうまく引き出していく感覚の変り蕎麦があります。まだ冷蔵・冷凍技術が現在のように発達する以前、鯛や海老のすり身を蕎麦に打ち込む事で増量させ加工して不漁の際を凌いだそうです。蕎麦を味わうのではなく材料を味わうための蕎麦。胡麻切りもそのひとつです。
胡麻切りは蕎麦切りにして汁をつけて食べるよりも、料理材料として活きてくる蕎麦です。そういった意味では鯛切りや海老切りと同系等の変り蕎麦です。鯛や海老を使うとなると高価な物になってしまいますが、胡麻なら比較的安価に作れますしさまざまに応用する事ができます。
胡麻は普段食べ慣れている食材ですから蕎麦切りにしても目新しさが出ません。また、茹で釜の中に胡麻が落ちて湯を汚すので店でもあまり提供する事がありません。
胡麻は何かに振りかけたり混ぜ合わすような使われ方が多く食卓にも頻繁に上がりますが、胡麻単体でもりもり? と食されることはほとんどない食材です。今回のこの「胡麻切り」は蕎麦を食べるより、まさに胡麻を食べるために蕎麦を使います。
「胡麻切り」を作る時の胡麻のあたり加減は二つあります。胡麻の油が出て来てねっとりとしてくるまでまで丹念に擂りつぶすのと、ごまの潰れる音が聞こえなくなる位を目安に粒っぽさを残したままで終えるやり方です。前者は蕎麦切りに後者は料理材に用いる擂り方です。
さらしな粉80gを60mlの熱湯で湯ごねした後につなぎの中力粉20gを加えて冷まします。軽くあたった煎り黒胡麻100gを加えてよく練り合わせます。胡麻が水分を吸収して生地が固くなりますから様子を見ながら水をたします。
まな板の上で手でつぶしながら形を四角に整えていきます。
麺棒を使って薄くしても良いでしょう。
適当な厚さ(3o位)にしたら算木切りに包丁します。この切り方はいわゆる拍子木切りなのですが正式には算木切りといいます。
このまま茹でて食べてももちろんおいしいです。そば刺しのように山葵しょうゆなんかオツですね。サラダの具材でも良いですね。
豆腐を一度茹でて水気を切ってから裏ごしして白和えの衣を作ります。
砂糖、塩、白醤油で味を整えます。
乾燥木耳は水戻しして、胡麻切り、人参、三葉は茹でておきます。季節によっては銀杏も加えます。胡麻切りと供に和えるものは水気の少ないものなら何でも良いでしょう。また、提供寸前に和えれば水っぽくなりません。
同じくこの材料を丸めてあげれば「胡麻切り飛竜頭」になります。
この時に注意しなければならないのは高温で揚げると爆発する危険があります。やや低温(160℃位)の油温でじっくり揚げれば爆発しません。気をつけて下さい。
葛を溶いた汁をかけて熱々をどうぞ。
胡麻切りの生地を型で抜いて素揚げにすればちょっとしたつまみにもなります。
熱いうちに塩や粉砂糖をふりかければ味がのります。
これを一つ食べるだけで胡麻煎餅5枚分の胡麻を食べたのと同じですね。
もしもあなたが「蕎麦は細く切ってなくちゃ蕎麦じゃない」派だったら、蕎麦切りを打って食べてみて下さい。その時は蕎麦粉500gに油の出るまであたった煎り胡麻を50〜60gが目安です。
溝ノ口に店を出していた頃、修験者が山ごもりに持参する「修験胡麻」という珍しい物を頂きまして胡麻蕎麦を打っておりました。その際はさらしな粉ではなく普通の蕎麦粉を使っていましたが、その風味の強さに蕎麦がどこかに飛んでいってしまう思いがしたほどでした。私が修行しているわけでないし、商売に使いたいからもっと下さいともいえずいつのまにか打つのをやめざるを得なくなってしまいました。あの胡麻蕎麦は我ながらにおいしかったと思います。
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