蕎麦屋の玉子焼きNo.2/「黄身の白身に恋してる」
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作成日時 : 2007/12/07 01:47
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『玉子焼き』。その響きには幼き日の郷愁がありますね。運動会や遠足を思い出します。前回に引き続いて蕎麦屋の玉子焼きの作り方です。始めのうちはなかなかうまく玉子の生地がひっくり返ってくれず、思うように巻くことができませんが、自分で作る「オラが玉子焼き」ならそれはそれでまた楽しいものです。
玉子が好きな世代だもの、玉子焼きの思い出をひとつ。
もう、三十五年以上前の話。友人たちとそれぞれ自分の学校の仲間を誘って初めて出会う同士で鎌倉に行きました。源氏山あたりで昼食となり、それぞれに弁当をひろげながら、「これ、私が作った卵焼きです。食べて下さい」といった娘がいました。当時、家庭の事情でお母さんと二人で札幌の月寒から東京へ来たばかりの娘でした。黒目がちな瞳と目元のホクロを今でも憶えています。『君の瞳に恋してる』玉子焼きと私の思い出。「忍ちゃん」と呼ばれてたあの娘がもう、孫がいるかも知れない年齢になっているのですね。
さぁ、鍋の熱さを確認したらいよいよ玉子を流します。一投目は少なめに流します。
ここで鍋の熱と火の強さ(コンロの火の立ち癖)と玉子の感じをしっかり掴んでおきます。
ここのフィーリングが大切。後はリズミカルに焼いていきますよ!
丁寧に巻き上げていってもよいのですが、箸で生地を一気に手前に寄せてしまってもかまいません。
寄せた玉子生地の空いた場所に油を廻します。生地がくっつくのを恐れて油を多く廻しすぎると仕上がりが油臭くなりますから鍋の熱を高めて薄く敷くようにします。これもポイント。
生地を先側に送り、手前の部分にも油を敷きます。この一連の作業はスムーズに手早く行なうようにします。
この状態は生地流しの三投目。
玉子を流し、先側に送った生地を箸で持ち上げ下に玉子を流し込むようにします。
鍋が程よく熱していれば、玉子生地に膨らみがでますので箸の先で突くようにして気泡をつぶしていきます。この状態を鍋を火に当てたり少し離したりしながら保っていきます。決して焼き鍋をコンロに置きっぱなしにしないように。一番大切なポイントです。
玉子の生地を返す動きを見てみましょう。わかりやすいように少し動作を大袈裟にやってみます。実際はこんなに大きくは動かさないのですが、感じはつかめると思います。
まずは水平から…
クイッと下に振りおろした勢いで…
グーと鍋の先端を振り上げて…
箸で巻き上げるのではなく転がす感じ。
玉子生地が返る瞬間に鍋を振り下ろします。
遊園地の大きなブランコのイメージというか、振り子の感じとでもいえるでしょうか?
最初はどうしても上に持ちあげるようにしてしまうために生地が真上方向に飛び上がってしまいがちです。まず、下げて大きく上げて下げる感じ。強いていえば「いち、にぃぃー、さん」でしょう。
木蓋で形を整えます。手前で形を整えてから生地を前方に送ってさらに整えます。
木蓋にひっくり返し受けて完成です。
あしらいは染めおろし。大根をおろしてしょうゆを注ぎます。
器提供 松本昌樹氏 工房ゆらぎ
ハッキリいっておきます!
玉子焼きは最初は誰でも失敗します。
二度目も失敗します。
三度目でこつが掴めればよいほうで、うまく焼けません。
床に玉子を落っことしたりします!!
それでも作り続けていれば、ちょっとしたコツとリズムと(リズムを掴むことが大切)熱のつたえ加減がわかるようになります。
それまではイライラしながら頑張って下さい。
「黄身の白身に恋してる」位の玉子焼きが好きな親父世代なのですから!
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